Life

夜の街で机をひとつ 持った
角に置いて
街を眺める

タクシーのハザード
空車の赤
コンビニのトラック

地方の病院に見舞いに行く
確かに味わったことのある夏の空だが
カルピスは降ってこなかった

郊外は人を増やして
減らして
猫がぽつんと たたずむ

私に備わったのは
粘り腰
そういう黄昏に混じった水を
さんざん飲んで育ったのだ

何度も十両以上ある列車はしなって
びしびし叩くのだ
つとめ人を
学生を

だとしたら
ぶおぉーと口から叫び声が自然と出るはずだ
極度のSM好き以外は

歌なんて
そういうものでしかなかった

誰がなんと言おうと
歌なんて歩いてきた道が
乗ってきた電車が
違うだけで ちょっとばかし変わっていいはずだ

タクシーの運ちゃんが
外に出て
自分の車にもたれかかって
タバコを一本吹かしてる
真夜中
そしてまた
車に乗り込み
夏の朝へ向かって
走り出す
彼こそが歌であり
あの一台のタクシーこそが
濡れた黒炭
絵は乱れ続ける

2017/8/6