Life

嵐の中で考えることは長靴でも雨は染みて来るんだ、ということ
城崎で買った黒いビニールの長靴
地元の床屋さんは、ええ但馬ブーツはいてらっしゃるね
と言ってくれた
町の人と話していれば飽きない

体調を崩しているときに考えることは
たいていしょーもないこと 
体調を崩していたがダリの対話という本を読んで、
ダリの言葉、まあ正確には翻訳された言葉、を読んで、
拡張した
心ってのはおおよそ言葉で覆われてんのか
自分の知ってる言葉の膜で覆われてんのか
それをにょーーーーっと拡張してくれるのは、
音楽よりも 言葉であることのほうが多い気はする
斜めに 縦に 横に
延びて 運動している 膜が
心は運動して気持ちよさそうだ

冷えきった菓子パンをかじって
コーヒーを飲んで 外を眺めると雨
ダリはオレの次のアルバムのタイトルについて、口出しをする
いや、助言というか、そっと後押しをしてくれた
口出しは違った 実は驚いた リンクしたことに

彼は 大天使 と言っていた
オレは 虫 と歌っていた

10/2

レコーディングも折り返し地点を過ぎたようで、
まったく過ぎてはいない。
鳥取空港まで飛んだ。
鳥取コナン空港。
ドラマに少しだけ参加してとんぼ返り。
今まで録ったベーシックやボーカルを聴いて、
改めてレコーディングの難しさを知る。
粘りたい。
そんな中近藤聡乃さんの漫画を読む。
「A子さんの恋人」四巻。
このしなやかさ。強さ。
体に純度の高い何かがすーっと入って来るのが分かる。
実力も才能も近藤さんには遠く及びはしないが、
この純度の高さに粘りで追いつかなければと思った。

こんなにも素晴らしいミュージシャン、アレンジャーが集まった今作、
一番やらなければいけないのは自分。当たり前だけど。
死ぬまで近藤さんの作品はリアルタイムで感じていたい。
そんな作り手になれるのか。

誰かの為になる仕事がしたい、
返す、というか。
そんなことを疲れた脳でぼんやり考えていたが、
百年早かった。
ただ使い切って何か出るか出ないか、
そんぐらいのもんでしかない。

あるいは、百年遅かったのか。
車窓から見える日本海の海は盛大に荒れていた。


9/30

レコーディングの前日は
水原弘を思い浮かべて
レミーを飲む
あの声
死人達から喉を引っ張られているようなあの歌声
たまんないね
安いモルトとレミーを声帯に浸す
声帯は両手で酔う
その調子です

たかがレコーディング されどレコーディング
なら
たかが の方に
全力で

9/18

北沢さんのサニーデイ本を読んで、このタイミングで読めて、
ほんとによかった、と思った。
レコーディング前のこの状態に。
曽我部さんのレコーディングに対する姿勢が、
そのまま自分に突進してきてお菓子がこぼれた

お前ならどうする

本が燃えてる

2017/09/06

パターソン試写トーク
気の利いたことが言えなくてバーで反省
パターソンマッチを置いてウィスキー
主人公が街の名前になっている
それがすべて
街こそ歌(詩)なのだ
街=マッチ
これも日本では通じる
街を擦るのが歌
燃えて聞こえるのが詩情

街にこそ詩人がいて
でも
彼ら彼女らは 決して詩を書く という行為はしていない場合もある
でも彼らが詩人なのは わかる
風が顔をなぜて
光りが照らすと
染みて来る
彼らがキャンパスになってしまうこともあるし
ノートのように刻み込まれてしまうこともある

ジャームッシュがもうひとつ凄かったのは
作り手達にアジテーションしていたこと
毎日は美しい
日常にこそ奇跡はある
たしかにそうなんだけれど
詩はとことん描写してくらいつかないと
降っては来ない
現れては来ない
これを逆説的に言っている気がした
毎日を生きているだけでは詩は降っては来ない
これが効いた
身が引き締まる思いがした
この境地には到底たどり着けない

ジャームッシュの後追いが始まった

2017/8/17

夜の街で机をひとつ 持った
角に置いて
街を眺める

タクシーのハザード
空車の赤
コンビニのトラック

地方の病院に見舞いに行く
確かに味わったことのある夏の空だが
カルピスは降ってこなかった

郊外は人を増やして
減らして
猫がぽつんと たたずむ

私に備わったのは
粘り腰
そういう黄昏に混じった水を
さんざん飲んで育ったのだ

何度も十両以上ある列車はしなって
びしびし叩くのだ
つとめ人を
学生を

だとしたら
ぶおぉーと口から叫び声が自然と出るはずだ
極度のSM好き以外は

歌なんて
そういうものでしかなかった

誰がなんと言おうと
歌なんて歩いてきた道が
乗ってきた電車が
違うだけで ちょっとばかし変わっていいはずだ

タクシーの運ちゃんが
外に出て
自分の車にもたれかかって
タバコを一本吹かしてる
真夜中
そしてまた
車に乗り込み
夏の朝へ向かって
走り出す
彼こそが歌であり
あの一台のタクシーこそが
濡れた黒炭
絵は乱れ続ける

2017/8/6

またとんでもないアレンジが届いた

コードアレンジで物語が沈み、歌の心に弾力がつき
跳んでる

超現実こそがSFになり、
もう一度現実を愛でるのだ

新曲を書いてよかった
膿みを出したつもりだったが
なぜこんになに輝いているのだ

また遠回りした気がしたが、
それって違う

間に合った と思った方が良い
この船に乗って 海の上で爆発するさまを見て頂きたい。


新曲たちの歌心を阿久悠さんに見て頂きたかった
すばらしいアレンジャー達の仕事込みで
歌なんてまったく死んでないから
ましてや、人が生きてる限り
滅びる事がないんだから

2017/8/4

夏の終わりのような光り、空

旧暦とあんたの産毛だけはいつも正しい

そんなことを言った女がいたが、
俺は言葉に弱い
体にはもっと弱い
だから酒でごまかす
夏の夕暮れ
秋のしらせ
イヤフォンしながら安コーヒー屋で眠る若い男
学生か
バイトのしすぎか
クーラーの効いた店内で
海の底のよな店内で

起きた
また眠った

7/31

ニューアルバム用の仮アレンジ音源が届く
2017年の風景が濡れた
新歌謡
いやJ-pop
18歳の夏、死ぬ程聴いたリアルラブ
オーヨーコ
寮の部屋のテレビからは失楽園
それがミックスされて20年の時を経て
ここに届いた
遠回りしたな なんて言いたくないけど
いろいろな事があって絡まってる
歌に付いたのは誰かの肉だ
誰かの感情だ
誰かの想いだ
俺の歌だ

これは期待してもらって大丈夫です
だから死なないで下さい。
このアルバムが出るまでは。

なんてアホなこと言ってしまいそうな気分で
同じとこ何度もチャリでゆっくり走ってた

2017/07/24