その日は街に繰り出したくなる
風景を無性に見たくなるのだ
文芸坐ならやってくれているだろう
その日に関係している映画を
風物詩
夏には戦争のことを
でいいと思う
触れたいんだろう自分は
安心したいのかもしれない
文芸坐で岡本喜八の映画を見て
タカセでぼーっとする
歌を書く
それはセミで言えば樹を探す
歌を書く
それは草で言えば土を知る
それは特別なことではなく
根を張れない自分にとって
宙空に根を探す
それだけのことなのかもしれない
仕事をしない
と決めたその日に
歌を書いているのだから
仕事ではないんだと思う